番組制作者の声

テレビ愛媛
報道制作局アナウンス部
内木敦也さん

2025.2.17 mon

― 「食リポ」って難しい!

2021年に入社して最初に担当したのが週末のお昼に放送している情報番組でした。
MC・リポーターを担当することになった私を待ち構えていたのは「食リポ」の洗礼です。

一人の視聴者としてテレビを見ているときは「アナウンサーやタレントはおいしいもの食べられていいな~」としか思っていませんでしたが、仕事としてやってみるとそんな気楽なものではなくて(笑)

箸で食べ物をつかんで持ち上げたら普通はそのままひょいと口まで運ぶと思いますが、食リポではNG。
食べ物がきれいに見える角度はどこかな?と考えながら一旦カメラにしっかり見せてから食べなければいけません。食リポって食べた後のコメントが大事だと思っていましたが、実は食べる前から始まっているんですよね。何気ないと思っていた動作の1つ1つに視聴者にわかりやすく伝えるための意味があると知った時、奥が深いなと思いました。

と偉そうに語っちゃっていますが、情報番組を3年間やっていても食べ物を落としてしまったり、こぼしてしまったりと結構やらかしてしまいます。そのミスがアナウンサーのNGシーンを集めた全国ネットの番組で流れたことも…もっと食リポうまくなりたい!

でも、仕事を通してたくさんのおいしいお店を知ることができること、普段はなかなか聞けないお店の方のこだわりや熱い想いを聞けること。リポーターをやっていなければ知ることができなかったこともたくさんありました。情報番組での経験は貴重な財産となっています。

どうすればおいしそうに見えるか考えながら伝えています!

― 2年目から担当しているニュースは「時間との勝負」

そして2年目となる2022年からは情報番組と並行して夕方のニュースのキャスターも担当することになりました。デビュー初日は緊張のあまり汗をかきすぎて床を濡らしてしまうという苦いデビューでしたが…(笑)
情報番組とも違った雰囲気に新鮮さを感じたことを今でも覚えています。

ここでどちらも経験して感じたニュースと情報番組の違いについて。
情報番組は「前もって準備をしてしっかり作り込んで放送するというパターンが多い」
一方ニュースは「その日にあったことをその日に出すことが多い」
なので、報道の担当になってすぐは作業のスピード感についていくのが大変でした。

私はキャスターをやりながら「記者」の仕事も担当しています。
午前中~昼過ぎくらいまで取材に出て、終わったら会社に戻って原稿を作成します。
本番は午後6時。まだ数時間ある…と思っていても、実際には原稿を書く→デスクに添削をしてもらう→編集してもらう→並行して画面に表示する文字テロップなどを作成する…といった多段階のプロセスを経てようやく1本のニュースが完成するので、いかに速く作業を進めるかが重要になってきます。
最初は取材に行くたびに本当に放送までに間に合うのか不安で仕方なかったですが、2年ちょっと続けてきた今はそのペースが少し掴めてきたかなと思っています。

時々午後から取材に行くこともあり、その時は今でも結構てんやわんやになりますが、でもこういう日は逆にやってやるぞとスイッチが入ります。そんな1日を終えるとホッとして気持ちよく眠ることができますよ(笑)。

しっかり「伝える」という意識でニュースに臨んでいます

― テレビ局へ入社したいと思った理由

昔から漠然としたテレビへの憧れがあったからだと思います。
私が育った福岡では朝や夕方に各局が情報ワイド番組を放送しているんですが、気が付いた時にはその番組に夢中になっていて。司会のアナウンサーがダジャレなんかも織り交ぜながらユーモアたっぷりに喋っているのがなんだかいいなと思ったんです。しかもニュースの時間帯になるとそれまでラフな格好で喋っていたのにスーツに着替えてキリッとした表情で伝えていて。そういう部分にギャップも感じてカッコいいなと思ったんでしょう。こうしてテレビは生活の一部になり、出演しているアナウンサーのコメントで楽しい気持ちや頑張ろうという気持ちにもなりました。その時に、声ひとつで誰かを励ます、元気づけることができるこの仕事を素敵だと思いました。このころから私の夢は「アナウンサー」に変わりました。小学校6年生のことでした。

― 「番組制作は大人の自由研究?」

テレビ局に入って感じたのは、番組やニュースを作る仕事は「大人の自由研究」みたいだなと。ネタをいただいて取材することもありますが、自分でネタを上げて興味のある話題を取材することもテレビ愛媛ではできます。その場合リサーチから始め、諸々調整ができたら実際に取材!その後原稿を書いたり、BGMを選んだり、文字テロップを作ったり…さらに、私はアナウンサーなので自分でナレーションを吹き込むことも。 ある程度の「型」みたいなものはありますし、添削もされますが、「どんな映像を見せるのか」「映像にどんな言葉を添えるのか」、「どんな流れで話を進めていくか」はそのディレクターや記者次第。なんでもできちゃうんです!なんでもできちゃうからこそ大変だし悩むこともありますが、やりがいはとてもあります。好奇心旺盛で探求心のある人には本当にいい仕事じゃないかなと思いますね。

番組の制作はチームの協力が欠かせません

― 今後の目標

今までになかった面白いコンテンツを作ってみたいです!といっても考えるの難しいんですが…
私は道路(国道)や商業施設など、一般的には少しマニアック?と言われる趣味があります。そういった自分の好きな分野を掘り下げて伝えながら、何も知らない人でも楽しく観られる番組を生み出したいですね。リポーターはもちろん私で!(笑)

ニュースの取材で開通前の道路に入らせてもらった時の1コマ 次は番組にしたい!

― 就活生へのメッセージ

今就活をしていて「興味はあるけど専門知識がないから不安」と思っている人はいませんか?
結論から言うと放送自体に詳しい必要はなくて、何か夢中になっているものがあることがコンテンツ作りでは重要かなと思います。アナタの心の中にある「好き」もどこかで役に立つときがきっときます。アイデア次第で可能性は無限大。少しでも興味ある!という人はぜひ放送業界への受験に挑戦してみてください!

プロフィール

福岡県北九州市出身 経済学部卒

2021年
テレビ愛媛にアナウンス職として入社
情報番組「ふるさと絶賛バラエティ いーよ!」出演
2022年
情報番組「ゆ~ばら!」出演
報道番組「EBC Live News」キャスター