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民放の基礎知識

テレビは観るけど、ラジオは聴くけど、意外と知らない民放テレビ局・ラジオ局について簡単にご紹介します。

民放テレビ局・ラジオ局の放送エリアとネットワークの仕組み

民放テレビ局・ラジオ局には、地上放送と衛星放送があります。
地上放送のテレビ局は、基本的に各都道府県が放送エリアですが、関東、中京、近畿の広域圏と一部の地域は、複数の都府県を放送エリアとしています。
全国のテレビ局が東京(関東広域圏)のキー局を中心に全国ネットワークを形成しており、5つのテレビネットワーク(JNN、NNN、FNN、ANN、TXN)があるほか、「全国独立放送局協議会〔独立協〕」もあります。
地上放送のラジオ局の放送エリアは、テレビと同じく各都道府県が基本ですが、関東、中京、近畿の広域圏と一部の地域には、複数の都府県を放送エリアとする放送局があります。AM2系列(JRN、NRN)、FM2系列(JFN、JFL)、外国語放送1系列(MEGA-NET)のラジオネットワークがあるほか、ネットワークに属さないラジオ局や、全国を放送エリアとする短波放送局があります。

民放テレビ局・ラジオ局の社会的使命とNHK

国民の共有財産である貴重な「電波」を国の免許・認定を得て使用し、多彩な番組を全国各地に送り届ける「放送」は、極めて公共性の高く安定した事業であり、これは民放もNHKも変わりありません。
民放とNHKの違いは、NHKが「受信料」を財源とし、全国を1つの組織でカバーしているのに対して、民放は「広告収入」を主な財源とし、基本的に一つの県を放送エリアとした「地域密着型」であることです。
たとえるならば、NHKは東京に本社を置き、各地に支社を置く全国チェーン店。一方、民放テレビ局・ラジオ局は各地それぞれに本社を置く地元密着企業であり、中央の本社からの“転勤族”にはない視点で地域と世界の将来を見つめています。

民放が地域で果たす役割、地域を越えて果たす役割

各地の民放テレビ局・ラジオ局は、地域情報の伝達、さらに地元の自治体・企業などとの連携による地域経済・文化・スポーツの活性化などに大きな役割を果たしています。 加えて、ネットワークを活かして取材・放送の両面で全国をカバーしています。たとえば大規模イベント開催時や災害時など、他地域へ応援に駆けつけ、ネットワークとして結束した力を発揮して取材・放送を行います。

変わらぬラジオの魅力

小型で安価な受信機で、いつでもどこでも聴くことができるラジオは、耳だけでさまざまな情報を得られる“最も手軽なメディア”であり、災害時には最も頼りになる強い味方です。
今ではスマホのradiko(ラジコ)アプリで聴くリスナーも増え、“聴き逃し配信機能”である「タイムフリー」や、番組のお気に入り部分を共有できる「シェアラジオ」の利用も広がっています。ラジオは特に地域に密着した、生放送中心のメディアであり、パーソナリティの肉声がリスナーとの間に親しみのあるコミュニケーションを形成します。

海外展開で地域を元気にする

番組の海外展開に積極的な民放テレビ局もあります。ある局は日本の文化を紹介する情報番組を制作し、フランスやタイのケーブルテレビで放送したところ、人気番組に成長し、番組で紹介した地元の店や観光地に海外の視聴者が訪れる機会が増えるなど、その取り組みは広がりもみせています。
また、民放テレビ局同士で協力し、全国で制作された番組を1つのシリーズにまとめて海外で販売するといった事例もあります。

動画配信の時代の中で

スマホが普及しコンテンツの視聴環境が大きく変化するなど、メディアをとりまく環境は大きく変化しました。こうした状況に民放テレビ局はいち早く対応し、たとえばTVerなどのプラットフォームのほか、自社サイト・アプリで番組の配信を行っています。ますます動画配信の利用が浸透する時代に、民放テレビ局は自らのメディア価値をさらに高めるために積極的に活用していきます。