番組制作者の声
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TBSテレビ
アナウンスセンター アナウンス部
小沢光葵さん

― アナウンサーを目指したきっかけ
自分の言葉で物事を伝えたいと思ったからです。
アナウンサーを本気で目指すようになったのは高校3年生の時。ラグビー部の監督から「小沢はキャプテンとして言葉で仲間を鼓舞してくれた。だから言葉を使う仕事をした方がいい」と言われ、そこから本気でアナウンサーを目指し始めました。肌で感じたことを自分の言葉で伝えたいと本気で思うようになったからです。小さい頃からラグビー一筋ですが、監督の言葉があったからこそ、今の私がいると思っています。
― アナウンサーには正解がない
アナウンサーといっても、本当に様々な仕事があります。
日々仕事をして感じるのは、「毎日違う仕事」ということです。
大きな括りとして、ニュースやスポーツ実況・バラエティとありますが、読むニュースは毎日違います。スポーツ現場も当然のこと、食レポも同じものを食べることはありません。
伝える内容が毎日異なり、使う言葉も日々変わってきます。仕事の幅が広い分、刺激のある毎日です。一方で難しいのは、「正解がない仕事」という事です。アナウンサーには、いわゆる数字などのノルマがありません。正解がありません。正解がないからこそ、それを見つける過程にワクワクします。そして、自分の言葉が響いたときは本当に嬉しくなりますね。
― 週の前半は朝6時、週の後半は夜中1時に起きています
週の前半は、お昼の情報番組『ひるおび』を、週の後半は朝の番組『THE TIME,』を担当しています。ひるおびは朝6時起き、THE TIME,は夜中の1時に起きて2時前に出社しています。週の前半と後半で生活リズムがガラリと変わります。生活リズムが違うというのも、アナウンサーの特徴です。THE TIME,の放送が終わって、そのあと仕事がなければ早くて朝の10時には会社を出られます。そのあとは資料整理をしてもよし、映画を観に行っても良し、自由に時間を使える事もアナウンサーならではのことかもしれません。 私はよく、サウナに行きますね(笑)
― THE TIME,

朝の情報番組ではニュース・スポーツ・エンタメ(ロケでタレントの方にインタビュー)と様々なことをしています。朝4時30分~8時までの生放送。ニュースを読んだら、次はスポーツコーナー、そしてまた違うコーナーの準備と、いつも他の出演者とスタジオの中を駆け巡っています。朝の時間帯、皆さんも準備で忙しいと思いますが、我々もバタバタの中お伝えしています。というのも、情報は生き物です。どんどん情報が更新されていきます。速報が入り、OAのさなかでもスタッフと確認をして、お伝えすることもあります。そのドキドキ感が非日常的ですね。なかなか普段味わうことができない緊張感です。当然プレッシャーもありますが、どんなことにも対応できるように、日々新聞を読んで最新情報を頭に入れています。ミスのないよう、正しい情報をお伝えするために、沢山準備に時間を使っています。
― ひるおび

中継を担当しています。旬のものやイベントなどを生中継で紹介。様々なところへ足を運んでいます。大枠の台本はありますが、現場に行って感じたことや取材したことを盛り込んでお伝えしているため、台本通り綺麗にお伝えするということはしていません。カンペは使わず、生の現場感をお伝えすることを心がけています。そして10分という長い中継尺で視聴者を飽きさせない、内容に興味を持ち続けてもらうための工夫をしています。ひるおび中継の醍醐味は、けっして予定通りにはいかないということです。生中継なので当然ハプニングがあります(笑)先日、CM中に次の中継先である3階にエレベーターで上がろうとしたところ、なぜか1階に下がってしまい、スタッフと大慌て(笑)
なんとか間に合いましたが、CM中は次のお店へ移動していることもあるため、全力で走っています。こちらもかなりバタバタの中毎日お伝えしています(笑)時間が限られている中で、情報の取捨選択を瞬時に行わなければなりません。そこが面白さでもあり、生中継の難しさでもあります。ただ普段行けない場所に沢山足を運べています。幸せです!
― 忘れられない世界陸上の実況

情報番組以外にも実況を担当しています。
入社3年目でハンガリー・ブダペストで行われた世界陸上の実況を担当しました。
実況について右も左も分からない中で伝えることになった緊張感と高揚感は今でも覚えています。「ハンガリーに行くぞ」と先輩アナウンサーに言われてから半年間、必死に勉強しました。アナウンサーは経験したことのない競技を実況することが多々あります。実際に競技場に足を運んで槍を投げてみたり、砲丸を投げてみたり…。机の上で勉強するだけではなく、競技場に足を運んでその競技を肌で感じることを大切にしました。迎えた本番、興奮しすぎて声が枯れてしまいましたが、今まで経験したことのない熱量を感じました。普段行けない場所に行くことができる。そしてもしかしたら世界記録更新など歴史的瞬間に立ち会うことができるかもしれない。その瞬間を自分の声で伝えられたとしたら…。想像するだけでもワクワクしますよね。これがスポーツ実況の醍醐味だと思います。その瞬間を逃さないために、スポーツアナウンサーは沢山の準備をしています。先輩方の資料をみると、小さい文字がぎっしり。日々実況資料を作り、いつでも喋れるような戦闘態勢を作っています。選手だけではなく、私たちアナウンサーも戦っています。
― 就活生のみなさんへ
このコラムでアナウンサーには様々な仕事があり、非日常の毎日なのだと伝わっていれば幸いです。実はアナウンサーは、数分喋るために、ものすごい準備をしています。
バラエティ番組『ジョブチューン』の実況も担当していますが、紹介する商品をお店に行って全て食べたこともあります(笑)
みなさんもこれからの就活、大変だと思いますが、「ここまでやるか」という準備をすると、また違った景色が見えてくると思います。現場でご一緒できること、楽しみにしております!

プロフィール
- 2021年
- TBS入社 THE TIME,でデビュー
- 2022年
- ひるおび担当・駅伝実況
駅伝実況でアノンシスト賞受賞
- 2023年
- 世界陸上実況・競馬実況
- 2024年
- SASUKE 実況
- 2025年
- THE TIME,・ひるおび・ジョブチューン・SASUKE・スポーツなど担当