民放の最新テクノロジー

フジテレビ
セカンドスクリーン 「CxMシーバイエム」

今回、放送局が関わる最新テクノロジーをご紹介いただくのは・・・
フジテレビジョン 技術局デジタルソリューションセンターデジタルコンテンツ部
兼 編成局コンテンツ事業センターデジタルデザイン部 島川 徹平(しまかわ・てっぺい)さん

工学部画像工学科卒業 大学院総合理工学研究科物理情報システム専攻 修士課程修了
2002年(株)フジテレビジョンに入社し、ニュースやスポーツ番組の中継回線の運用を担当。その後、WiFi・スマートグラスの番組利用や4K・ドローンの試験的な番組制作、VRコンテンツの撮影・編集などを務める。現在の部署では、新技術・WEBを番組や放送外事業に生かす仕事を行っている。近年はエッシャー展のミラクルデジタルフュージョン(*1)、フィギュアのI-Scope(*2)、川口市グリーンセンターのVRホームページ(*3)などのシステムデザインを担当。

(*1) https://www.zakzak.co.jp/ent/news/180608/ent1806087064-n1.html
(*2) https://www.iza.ne.jp/article/20181222-VCLS5A4DNVLUZBE4ANZXVIQQRA/
(*3) https://www.tanabotanical.com/

島川 徹平

島川 徹平さん

今回は、私がシステムデザインを担当する視聴者体験型WEBシステム「CxMシーバイエム」を紹介します。
テレビをみる人つくる人、みんなが楽しめてトクをする。
ちょっと明るいテレビの未来をつくるシステムです。

2021.7.6 tue

CxMシーバイエムってなんだ?

CxMシーバイエムってなんだ?

CxMは、テレビとスマホがリアルタイムに連動する視聴者体験型システムです。
名前の由来はCMと、CX(フジテレビの放送事業者コールサインの略)からきています。

CxMは、テレビとスマホがリアルタイムに連動する視聴者体験型システムです。
名前の由来はCMと、CX(フジテレビの放送事業者コールサインの略)からきています。

Point!
■アプリダウンロード不要! QRコードを読んで参加!30秒CMでもOK!
■テレビの映像がスマホに飛び込んでくる驚き!
■みる人つくる人、皆が嬉しいコンテンツ設計とそれを実現する仕組み
■大規模アクセスも問題なし!めざましテレビでも使っている堅牢なシステム

CxMのイメージ図。女優さんにビールを注いでもらえます。

CxMのイメージ図。女優さんにビールを注いでもらえます。

CxMのイメージ図。女優さんにビールを注いでもらえます。

STEP!
■CMのQRコードを読み取ります
■スマホにカラのコップが現れます
■テレビで女優さんがビールを注ぎます
■スマホのコップにビールが注がれます

コンテンツを楽しんだあとは、クーポンの抽選ができたり、アプリのダウンロードを促進したりと、視聴者やスポンサー企業にメリット豊富な流れがつくれます。

CxMのキャラクター。名前はまだ無い。生みの親のデザイナーはシバエモン(仮)と呼んでいる

CxMのキャラクター。名前はまだ無い。生みの親のデザイナーはシバエモン(仮)と呼んでいる

CxMシーバイエムをつくった理由

突然ですが皆さん、CMは好きですか?思わず笑ってしまうCMってありますよね!でも、すべてのCMがそうかというと、、、どうですかね??
放送局の主な収入源はCM放送料金です。でもここ数年なかなか厳しい。理由は簡単、ネットが楽しくなったから。強力なライバルが増え、テレビの広告収入が減ってしまいました。

そんな最中の2年前、デジタルコンテンツの担当プロデューサーから相談を受けました。

プロデューサー

プロデューサー

CMが今よりもっと楽しくなれば状況はよくなると思うんだよね。

例えばテレビからスマホにプレゼントが落ちてきて抽選できたり、スマホでアンケートをとってフィードバックすればスポンサー企業にもメリットあるし。

そういう仕組みってつくれるんじゃないかな?

確かにその通りだと思いましたし、なにより実現したら面白そうだな、と感じました。
暫くして、プロデューサーから正式に依頼があり、早速、プロデューサーやめざましボーナスチャンスで活躍しているWEBチームとの打ち合わせを重ね、3か月をかけてシステム構築を実施しました。
そのなかで私は、主に以下の業務を担当しました。

  1. システム構築のガイドとなる、スマホフロー図、キャンペーンサイトワイヤーフレームの作成
  2. スケジュール作成・進捗管理
  3. TODO作成・管理
  4. 必要画材・動画の検討・依頼・収集
  5. 制作・代理店・クライアントからの要望をシステム的に解決できるかの判断、どうやって解決できるかの精査
  6. 費用算出・見積もり作成
  7. WEBに適合させるための圧縮などの素材調整
  8. お客様センターに提出するFAQの作成
  9. 運用場所や機材、ネットワークの確保

WEBでいうプロジェクトマネージャー+なんでも屋のような感じです。最も苦労したことは、時間が無い中で、クライアントや制作の要望や変更に対応しつつ、同時並行でいろんなタスクを処理してOAに間に合わせるよう立ち回ったことでしょうか。前例がないので、ワークフローも1から手探りで構築することも大変でした。
そうして2019年9月、大手自動車メーカーのCMで初のCxMを実施しました。

スマホ画面

スマホ画面

CMの自動車の動きとスマホ映像を同期させ、スマホ上のバボちゃんの数を数えて抽選に参加すると賞品があたるという企画でした。上から車を見下ろすように確認できる駐車補助機能の認知度アップをKPI(*4)のひとつに設定しました。
https://www.fujitv.co.jp/cxm/
https://www.fujitv.co.jp/muscat/20196009.html
(*4)KPI: Key Performance Indicatorの略。目標達成度を測る指標

システムフロー

視聴者が体験するスマホ画面。スポンサー企業・広告代理店・制作の要望を聞き、設計図となるシステムフロー図をつくる。
抽選、データベース、プログラム制御システムなどで構成される

視聴者が体験するスマホ画面。スポンサー企業・広告代理店・制作の要望を聞き、設計図となるシステムフロー図をつくる。<br>
抽選、データベース、プログラム制御システムなどで構成される

視聴者が体験するスマホ画面。スポンサー企業・広告代理店・制作の要望を聞き、設計図となるシステムフロー図をつくる。
抽選、データベース、プログラム制御システムなどで構成される

2019年9月、CxM初運用の風景。

2019年9月、CxM初運用の風景。
密に連携をとっているデジタル制作や営業、そして優秀なプログラマの面々

CxMのその後、そして現在

2020年末に、オーラルケア製品のメーカーと、健康にまつわるクイズ出題企画を実施しました。CMに表示されたQRコードを視聴者がスマホで読み取ると、クイズ回答ページが表示され、CMで問題が出題されるたびに、スマホに問題が降ってきて視聴者自身がクイズに回答できるという仕組みです。さらに、回答した方は商品が当たる抽選に参加できる、という流れをつくりました。

翌2021年の年始、再び大手自動車メーカーのCM連動企画を実施しました。CMに表示されたQRコードをスマホで読み取ると車内のVR映像を視聴できます。視聴者にはスマホをぐりぐり動かしながら車内に隠されたキーワードを探してクイズに答えてもらいました。もちろん、CMとスマホに表示されるVR車内映像はしっかりと同期させました。

スマホに降ってくる問題を次々と回答する企画

スマホに降ってくる問題を次々と回答する企画
https://www.fujitv.co.jp/cxm/sunstar_cm/
https://www.fujitv.co.jp/fujitv/news/20200938.html

CMとスマホの車内VR映像を同期させクイズを出題した企画

CMとスマホの車内VR映像を同期させクイズを出題した企画
https://www.fujitv.co.jp/cxm/propilot2/
https://www.fujitv.co.jp/fujitv/news/20201105.html

こうした実績を重ね、今ではCxMありきでCM出稿していただけるようになりました!また、「CxMのCMがきっかけで普段観ないジャンルの番組を観た。案外面白かった!」という視聴者のご意見もいただいています。

CxMにより、「テレビのリーチ力はまだまだ大きい」と感じています。

楽しいコンテンツとお得なインセンティブ(*5)の組み合わせで、「見たいCM」が増え、その結果、視聴者・スポンサー企業・テレビ局、みんなが楽しく得をする。そんな流れが続くよう、CxM担当者たちは今日も真摯に仕事をしています!
(*5)クーポンや賞品などの報奨

直近事例や今後の予定は、下記CxMポータルサイトに情報が掲載されています。ちょっとでもご興味ある方は是非覗いてみてください!
https://www.cxm.fujitv.co.jp/

<「MINPO.WORK」中の人からのQ&A>

今回、CxMをご紹介いただいた島川さんに、みなさんに代わって「MINPO.WORK」中の人が気になることを聞いてみました!

MINPO.WORK

MINPO.WORK

Q1 学生時代はテレビと関係のある研究をしていましたか?

島川 徹平

島川 徹平さん

いいえ。液晶やDNAに電気を流す実験をしていました。(笑)内容よりも、学生時代に培った思考と実行力の方が大事なのかな、と思います。昔から「今からはじめて、最も良いものをつくるためには、これからどのタイミングで何をすべきか?」と考えています。

MINPO.WORK

MINPO.WORK

Q2 テレビの技術職に向いている人材は?

島川 徹平

島川 徹平さん

文理両方の素養を持った人が向いているのかな、と思います。今は必要な知識の境界がすごく曖昧になってきたので、両方なんとなくできる箇所があると重宝されると思います。例えば、理系だけどwebページのレイアウトや文章を考えたり、文系だけどクライアントにシステムの説明ができたりとか。そういった相互理解ができると、仕事がとても円滑に進みます。

MINPO.WORK

MINPO.WORK

Q3 学生のみなさんへのメッセージをお願いします!

島川 徹平

島川 徹平さん

WEB・クラウド・ネット配信・VR/AR・AI。コンテンツの多様化により、テレビ局もさまざまな知識を持ったかたを求めています。オタク気質で何かを極めることが好きなそこのあなた!新しいもの好きでいろんなことに興味が溢れるそこのあなたも! テレビ局、どうでしょう??

MINPO.WORK

MINPO.WORK

ご回答いただき、ありがとうございました!