TBSテレビ
“XR”を活用した新たな映像表現への挑戦!

今回、放送局が関わる最新テクノロジーをご紹介いただくのは・・・
株式会社TBSテレビ メディアテクノロジー局未来技術設計部 勝俣祐輝(かつまた・ゆうき)さん

工学部情報画像工学科・大学院融合科学研究科修士課程修了(2012年)。 カメラメーカーに新卒で入社し、デジタルミラーレスカメラの仕様設計、画像処理エンジンの開発に従事。2022年7月にTBSテレビに中途入社。

株式会社TBSテレビ メディアテクノロジー局未来技術設計部 原拓(はら・たくま)さん

大学院情報科学研究科修了(2013年)。通信事業会社に新卒で入社し、スマホアプリやセキュリティサービスの企画開発に従事した後、2022年7月にTBSテレビに中途入社。

勝俣 祐輝

勝俣 祐輝さん

こんにちは!この度は世界陸上2022オレゴン大会でのXR(eXtented Reality)演出をご紹介します。”現実を超える演出”をテーマに、あたかも現地にいるかのような演出を実現!
メインキャスターの織田さん、中井さんに大変好評でした。

原 拓

原 拓さん

はじめまして!メタバースという言葉は聞いたことがある方は多いかも知れませんが、XRはメタバースだけじゃなく番組制作にも活用されるんだということがわかる、面白い事例をご紹介します。

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2022.12.13 tue

*突然ですがクイズです!

2022年夏に放送された「世界陸上オレゴン」。その放送で今回ご紹介するテクノロジーを使った制作が行われました。こちらの放送を見て裏側でどういった事が行われているか、わかりますでしょうか?

世界陸上オンエア映像

世界陸上オンエア映像

いかがでしょう?答えはこちら。

左手が合成映像、右手が実際のカメラ映像

左手が合成映像、右手が実際のカメラ映像

そうなんです。実はメインMCのお二人、及び番組収録スタッフの大部分は東京・赤坂のスタジオにいながら、現地オレゴンの様子を伝えているのでした。

今回はMCの二人が現地に行きませんでしたが、それでも会場近辺にいるような演出をしたい!という要望がでていました。ただし従来技術のクロマキー合成ではこういう課題が、、

クロマキーからそろそろ進化したい

従来の手法にとらわれず少しでも多くの熱量を伝えるべく、今回ご紹介する”XRスタジオ”の技術が活用されているのです!

*XRスタジオって?

「XR(eXtended Reality)」とは、現実世界と仮想世界を融合するテクノロジー全般のことを指しており、VR(Virtual Reality:仮想現実)やAR(Argumented Reality:拡張現実)などもその一部と言えます。

XRスタジオの構成技術は大きく3つ。
まず1つ目が高精細な映像表現が可能なLEDスクリーン。振り返ればオレゴンの景色が広がるようステージを組み立てます。

よくあるモニターとは全く違ってパネルの組み立てから

よくあるモニターとは全く違ってパネルの組み立てから

2つ目に4K高画質のライブ映像。アメリカからの国際回線を活用して、遠隔地のダイナミックな映像をLEDスクリーンに表示させています。

ライブ映像でリアルタイムな描写を可能に

ライブ映像でリアルタイムな描写を可能に

東京からリアルタイムにオレゴンのカメラを操作

東京からリアルタイムにオレゴンのカメラを操作

そして最後にこれらの映像やCG素材をリアルタイムに合成するためのシステム。

この3つをこういうステップで組み合わせて、、

XRスタジオ合成のステップ

XRスタジオ合成のステップ

完成!このようにして赤坂のスタジオにいながら大海原をこえて、現地オレゴンにいるかのような演出をしていたのでした。

メインMCのお二人、そしてスタッフ一同、熱狂に包まれた番組収録を行うことができました

メインMCのお二人、そしてスタッフ一同、熱狂に包まれた番組収録を行うことができました

なお『XRステージ』は別のビッグイベントでも使われました。そのときの記事はこちらから見ることができるので、興味がでたらぜひそちらも覗いてみてください。

*TBS Tech Design Labの活動について

TBS Tech Design Labの活動について

私たちは中途入社として2022年7月よりTBSテレビに入社してすぐに、世界陸上でのXRスタジオ運用に携わらせていただきました。
二人とも放送業界とは全く異なる業界からの転職だったので、放送業界ならではの”アタリマエ”、そして現場で飛び交う独特なワードに悩まされましたが、仲間たちに支えてもらって学びながら日々新しいことに挑戦しています。

そして新しいことへ挑戦する原動力ともなっているのが、私達も所属している『TBS Tech Design Lab』です。有志メンバーで構成されるこの団体では、XRにとどまらない新しいテクノロジーの活用方法を模索し続けています。

TBS Tech Design Labの記事はこちら
TBS Tech Design LabのTwitterはこちら

2023年にはテクノロジーとデザインの融合を更に加速させるべく、イノベーション拠点もオープン予定です。皆さんがTBSに入社する頃には(!?)すぐにでも利用できる予定なのでお楽しみに!

<「MINPO.WORK」中の人からのQ&A>

勝俣さん、原さんに、みなさんに代わって「MINPO.WORK」中の人が気になることを聞いてみました!

MINPO.WORK

MINPO.WORK

Q1 放送局を志望したきっかけはなんですか?

勝俣 祐輝

勝俣 祐輝さん

前職でのカメラを作る経験から、何か映像を使って楽しいことができないかなと考えていたことがきっかけでした。また、1日の1/3以上の時間を働くことに費やすことになる中で、放送局ならその時間も楽しいものにできると思ったからです。

原 拓

原 拓さん

コロナをきっかけに家で過ごす時間が増えて、ドラマやバラエティと接する時間が増えたことがきっかけです。今はエンタメの楽しみ方も多様化しており、まさにテレビ業界の変革期を楽しめるかもと思いました。

MINPO.WORK

MINPO.WORK

Q2 中途で入社されたお二人からみてテレビ局はどういう印象ですか?

勝俣 祐輝

勝俣 祐輝さん

入社して驚いたのは、チームワークの良さとユーモアのある方が多い!ということです。また、テレビ業界は変革期でもあり、自分のやりたいことにどんどんチャレンジさせてもらえる雰囲気もあります。

原 拓

原 拓さん

勝俣さんと同じ印象です。あとやっぱりテレビ局って無茶苦茶にハードワークな印象があると思うのですが、忙しい時期はありつつも休暇制度やリモートワークなどの制度面がしっかり整っていて、働きやすさもしっかり整備されているのが意外でした。

MINPO.WORK

MINPO.WORK

Q3 学生のみなさんへメッセージをお願いします!

勝俣 祐輝

勝俣 祐輝さん

新卒時代はこうして放送局に転職することなんて想像していませんでした。人生何が起こるかわかりませんね。過去は変えることできません。できるのは今と未来を生きることだけです。自分らしく学生時代を謳歌して、就職活動を頑張ってください!

原 拓

原 拓さん

いいセリフは持っていかれてしまいました(笑)今の時期はたくさん悩むと思いますが、間違いなく今後の糧になります。できるだけ今の状況を楽しんでください!

MINPO.WORK

MINPO.WORK

ご回答いただき、ありがとうございました!

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